Win Win Wiiin に見るテレビとYouTube

雑記

とある人がこんなことを言っていました。「テレビ局は、視聴者をバカだと思って番組を作っている。」

そう思っている人は少なくないと思います。ただ、この言葉が出てきたのが、トレンドの中心がテレビだった1990年あたりだとなると、かなり先見の明があります。

この言葉は、上岡龍太郎という、昔テレビの第一線で活躍していた人の言葉です。このことはまたいつか機会があれば話すとして、最近はYouTubeのテレビ化が起こってきています。見やすさ、視聴率に代わる登録者数という数字至上主義、プロモーションによるクリエイターの意見と必ずしも一致しない内容の動画など、お金の集まる場所としてかなりテレビに近い状況になりつつあります。

そんな中で、視聴者が頑張らないと理解できないような難しいコンテンツも生まれています。

これを強く感じたのが、宮迫さん、中田さん、山本さんがMCをしているYouTubeの番組「Win Win Wiiin」です。

メインMCである宮迫さんが、今回はゲストとして紹介されます。

3人とも、テレビでも活躍していた腕のある芸人さんですから、内容もかなり見やすく、宮迫さんに降り注いだ苦難を面白おかしく紹介していきます。

【Part②】雨上がり解散&牛宮城事件【WinWinWiiin 宮迫博之編】 – YouTube

【Part③】絶望を乗り越えろ【WinWinWiiin 宮迫博之編】 – YouTube

MCが今回から3人になり、3話構成でそれぞれのYouTubeチャンネルに動画が投稿されました。

この番組は、YouTubeで最もテレビに近い番組と言っても過言ではないと思います。

いわば今回のテーマとは真逆。しかし、ここに当事者の宮迫さんのチャンネルから4本目の動画が投稿されます。

サムネイルだけ見れば、宮迫さんの焼肉屋さん、牛宮城予定地で、ゲストが増えてバラエティが続くものと思っていました。

しかし、それは全く違っていました。

まず、事の経緯は、今回のWinWinWiiinが投稿される前に、とある企画で宮迫さんが炎上してしまったことがきっかけです。牛宮城のために宮迫さんが私財を売るという内容なのですが、その動画が炎上。そのため、今回の番組3話で宮迫さんの人生をフリに使い、バラエティ的に作ったオチが大炎上しかねないこととなりました。

それに危機感を抱いた中田さんが、緊急で動画を撮り、Part3までと比べると編集もあまりされていない動画が4話目としてあがります。

そこから、いい加減に聞いていたら置いていかれるような、ディープな話になっていきます。

興味を持ってもらうために、あえてネタバレをしますが、蓋を開けてみると牛宮城に関して宮迫さんに経営的決定権は無く、サムネイルの黒幕の人が牛宮城を経営している会社の株を50%所有しており、事実上経営権を持っているという事が発覚しました。(偏向した情報にならないよう付け加えますが、実際は関わっている全員で話し合ってワンチームで最終決定をしているとのことです)

何がすごいって、中田さんがその人を動画に引っ張り出しているのがすごいんですよ。牛宮城の大炎上の時も頑なに顔を見せなかったその人を動画に出演させているのが、中田さんの凄さだと思います。多分、北風と太陽みたいな話し合いがあったんだろうなと想像してしまいます。

多分、本人には、あの動画で自分がヘイトを買うとはわからないと思うんですよ。

事実を確認し、改善点を出し、具体的な方針を決めていく。やっていることはそれだけなのに、これまで真剣にコンテンツを追っていた人が聞きたいことがどんどんと解決していく。

なぜ、牛宮城は予定通りオープンできなかったのか。宮迫さんは現在どれくらい追い詰められていたのか。宮迫さんはどういう形で牛宮城に関わってきたのか。結局悪いのは誰なのか。

このコンテンツの凄いところは、誰が悪いかを明確にしなかった点です。Part3までは中田さんが罪を被って、宮迫さんがひどい目にあうという、悪い人がいて罰ゲームを受ける人がいるというある種の答えがありました。

おそらく、宮迫さんが悪いと思った人もいれば、黒幕が悪いと思った人もいる。ヒカルさんが悪いと思った人もいるかもしれませんし、そのほかの人が悪いと思った人もいるでしょう。中田さんが悪いと言った人もいましたね。それに、だれか一人がすべて悪いわけでもないと思います。この判断を視聴者にゆだねたというところが、最も刺激的な部分でした。

この動画は、現在300万再生されており、Part1の再生回数をはるかに超えています。

おそらく、テレビはこれを衝撃的にとらえていると思います。とらえていて欲しい…。

真剣なコンテンツを作れば、真剣に見てくれる人はたくさんいるということを、ある種証明した動画になったと思います。

まぁ、テレビはスポンサー出資がほとんどなので、人気やわかりやすさは重要な要素ではあると思います。一気に変わるのは難しくても、仮に視聴者が一時的に少し減ったとしても、双方向メディアの時代、真剣な制作物を真剣に見るというコンテンツのあり方にしていくことが重要なのではないかと思っています。

卵が先か鶏が先かという話がありますが、最初の話で「テレビ局は、視聴者をバカだと思って番組を作っている。」という言葉を紹介しました。これは一理ありますが、おそらく「視聴者がバカになったから、テレビ局はバカ向けの番組を作らざるを得なくなった。」という側面もあると思います。

なので、視聴者が賢くなる、真剣にテレビのコンテンツに向き合うようになれば、テレビはもっと真剣に見る人に向けた番組を作るようになると思います。作る側のせいにするだけではなく、見る側も変わる必要があるのかもしれないと、今回のことを通じて思いました。

テレビも最近は意外と変わっています。TVerなどで、無料でテレビ番組を見ることもできますので、最近テレビを見ていないという人は、ちょっと見てみるといいと思います。真剣な番組もいっぱいあります。お互い歩み寄っていきましょう!

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